どんな人でも、自分の知らないところで
人の役にたっているものでございます。
人柄のいい人がいました。
ある日、ゴミ拾いのルンペンに
「ああ、あなたは神様のような人だ・・」
と、言われました。
ちょっとした親切に、ルンペンが感動したのでしょう。
その人は、ルンペンに言われた事を、
自分の親しい人たちに話しました。
周りの人たちは「神様は大げさだ」と思いいながらも、
人柄のいい人には違いがないので、素直に聞いていました。
以後、周りの人たちは、
その人の話を別の誰かにするとき、
そのルンペンの話を
よく使ったものでした。
たとえ、少しおおげさだとしても・・・
その人は、長い人生を経て、一人の老人になりました。
世の中的に有名な人物や、国から表彰されるような人物には
なりませんでした。
平凡な、一人の人間として、その終焉に向かっているのです。
その人はずっと人柄のいい人でしたし、
周りの人たちもずっとそう思っています。
本当の所は、その人も時々は嫉妬深かったり、
ちょっと意地悪だったりするときもありました。
でも、その人もいい人であろうと心がけていたし、
周りの人も本当はいい人だと思って、少しの意地悪なんかは
気にしないようにしました。
誰もあらためて考えはしませんでしたが、
そんな思いのもとになっていたのは
あれ以来二度と会うこともない
あのルンペンの一言だったのかもしれません。
「ちょっと大げさだけど、神様みたいなんだから・・・」
<支配人>
